サーチコンソールのデータを見ても、どのクエリを優先すべきか判断しにくいと感じたことはありませんか。
表形式は正確ですが、数百から数千件のクエリを個別に比較するのは手間がかかります。
このような場面で有効なのがバブルチャートです。
CTR、平均掲載順位、クリック数を同じ図に集約すると、改善の優先度が高いクエリを視覚的に見つけやすくなります。実際に試すと、全体像が一目で把握できる点が印象的です。
本記事では、Google公式ドキュメントで示された設定を中心に、作成手順、解釈方法、改善施策への結びつけ方を順に解説します。
読み終える頃には、ご自身のサイトデータで分析を開始できる状態になると想定しています。
バブルチャートは、Looker Studioなどを用いて作成する分析手法です
サーチコンソールにバブルチャート作成機能はなく、Google Search Console(以下、GSC)の画面上では作成できません。
GSCの検索パフォーマンスデータを外部ツールのLooker Studioなどに接続し、可視化する手法です。
Googleの公式例では、以下のような設定が示されています。
- 横軸:サイトのCTR
- 縦軸:平均掲載順位
- バブルの大きさ:クリック数
- バブルの色:デバイス
- バブル1つ:1つの検索クエリ
この図を使うと、「順位は低いがCTRが高いクエリ」や「上位表示なのにCTRが低いクエリ」など、改善候補を見つけやすくなる点が大きな利点です。
ただし、チャートは原因を断定するものではなく、調べる対象を絞り込むための道具として使うのが適切です。実際に試すと、データの傾向がひと目で掴めて、次の施策を考えるヒントになると感じます。
表では見えにくい改善候補を図で見つけられるため有効です
バブルチャートが分析に有用な理由を、仕組みと留意点に分けてまとめます。
3つの指標を同時に比較可能です
GSCの検索パフォーマンスレポートでは、クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位を確認できます。
しかし、表形式だと複数指標の関係を一括で把握しにくい点があります。
バブルチャートは、横軸・縦軸・バブルサイズの3要素で異なる指標を表現します。
「どのクエリが、どの順位で、どれくらいクリックされ、どれくらい流入に貢献しているか」を一目で比較できます。
GSC単体で作成できない理由と、作成方法について
GSCは検索データの確認とサイト管理を目的としたツールで、バブルチャートのような自由なグラフ作成機能はありません。
そのため、以下の手順で作成することが一般的です。
- Looker StudioにGSCのデータを接続する方法
- GSCからデータをエクスポートし、ExcelやGoogleスプレッドシートで作る方法
- Search Analytics APIでデータを取得し、独自の分析環境で作る方法
Google Search Centralでは、Looker StudioとGSCデータを組み合わせたバブルチャート分析が公式に紹介されています。
2022年の記事では、テンプレートにデータを接続し設定を調整する手順も案内されていました。
ただし、テンプレートの最新の公開状況や仕様は、利用前に公式ページでご確認ください。
読み取る前に確認すべき注意点です
平均掲載順位の軸の向きについてです
掲載順位は数字が小さいほど上位となります。
そのまま縦軸に設定すると、上部にあるバブルほど順位が低いという直感に反する表示になります。
公式の解説では、縦軸を反転し「上に行くほど順位がよい」表示にすると読み取りやすくなると述べられています。
作成時には、必ず軸の向きを確認してください。
バブルのサイズに何を割り当てるかです
公式例ではクリック数をサイズに設定していますが、民間の解説では表示回数をサイズにする例もあります。
両者は見た目は似ていますが、意味は異なります。サイズの選択はデータの見え方を大きく左右しますね。
- クリック数:実際に獲得した流入の規模
- 表示回数:検索結果での露出の規模
表示回数が多いことと、クリックが多いことは同じ意味ではありません。
どの指標をサイズにするかで、優先順位の見え方が変わる点に注意が必要です。
社内で共有する際は、設定内容を明記しておくと誤解を防げます。
フィルタで分析対象を絞り込みます
公式例では、プロパティ・期間・クエリ・国・デバイスを切り替えることができます。
既定の期間は過去28日間です。
サイト全体の傾向を把握した後、国やデバイス別に確認すると、モバイルとパソコンでCTRや順位に差があるなど、新たな発見が得られる可能性があります。
データを読むコツと活用例
以下では、作成手順に加えて、バブルチャート上の各位置に対応する施策を具体的に解説します。
例1:Looker Studioでバブルチャートを作る
最もポピュラーな手順は、Looker StudioとGSCを結びつけることです。
全体の流れは以下の通りです。
- Looker Studioで新しいレポートを作成する
- データソースとして「Search Console」を選び、対象のプロパティを接続する
- グラフの種類から「バブルチャート(散布図)」を追加する
- ディメンションに「クエリ」を設定する
- 指標に、横軸:CTR、縦軸:平均掲載順位、バブルサイズ:クリック数を設定する
- 縦軸を反転し、上ほど順位がよい表示にする
- 期間・国・デバイスなどのフィルタを追加する
Looker Studioの画面は随時変更されることがあるので、項目名が違う場合は公式ヘルプを確認してください。
一度作れば、期間を変えるだけで同じ視点の分析を定期的に実施できる点がLooker Studioの強みです。
例2:CTRは高いが順位は平均以下のクエリ
順位は低めですが、表示された際にクリック率が高いクエリです。
公式解説では、こうしたクエリはユーザー関心の指標となり、改善対象になる可能性があると説明されています。
検討できる施策
- 関連するページの内容を充実させる
- そのクエリに対応するページが存在しない場合は、新規ページの作成を検討する
- 内部リンクを整理し、関連ページへの導線を見直す
ただし、施策を決める前に、検索意図と対象ページが一致しているかを確認することが重要です。
意図がずれていると、内容を増やしても効果が出にくいことがあります。
新規ページを作成したり大幅に改訂した場合、検索エンジンが再度検出するまで時間が必要になることがあります。
GSCのURL検査ツールで登録を依頼する方法に加えて、インデックスドライブのように公開中のURLを送るだけで登録を促進できるサービスも選べます。
例3:上位表示でもCTRが低いクエリ
順位は高いのにクリック率が低いクエリです。
このケースでは、順位よりも検索結果での見え方が影響している可能性があります。
チェックすべきポイント
- 競合サイトのリッチリザルトが目立っていないか
- タイトルや説明文が検索意図に合っているか
- 検索結果の表示だけで答えが分かり、サイト訪問が不要になっていないか
公式ドキュメントでも、これらの要素が影響する可能性が示されています。
実際に対象のクエリで検索し、自サイトと競合サイトの表示を比較するのが有効です。
ただし、検索結果に直接答えが掲載されるクエリでは、CTRを上げる余地が少ないこともあります。その点を踏まえて、改善策を検討するとよいでしょう。
例4:大きなバブルを優先的に分析する
クリック数をサイズに設定した場合、サイズが大きいバブルは既に流入に大きく寄与しているクエリです。
順位が僅かに下がるだけでも流入に大きな影響を与えるため、定期的に監視対象とすると効果的です。
一方、表示回数をサイズにすると、露出は多いがクリックに結びつかないクエリが大きく表示されることがあります。
目的に合わせて、クリック数版と表示回数版の2種を作り比較するのも有効です。
例5:クエリからページを掘り下げる
改善候補のクエリを特定したら、そのクエリで表示されているページをチェックします。
公式解説では、クエリで絞り込む手順やLooker Studioのピボットテーブルで関連ページを調べる方法が紹介されています。
同一クエリに複数のページが表示されると、意図しないページが評価されていることがあります。
クエリとページの組み合わせを確認すれば、具体的な改善策に結びつけやすくなります。
例6:Excel・スプレッドシート・APIで作成する
Looker Studioを利用しない場合は、GSCの検索パフォーマンスレポートをエクスポートし、ExcelやGoogleスプレッドシートでバブルチャートを作成できます。
単発の分析や社内資料への組み込みに適しています。
大規模な分析が必要な場合は、Search Analytics APIで期間やディメンションを指定してデータを取得し、独自の分析環境に取り込むことも可能です。
分析の頻度や規模に合わせて手段を選ぶと良いでしょう。
バブルチャートは、改善の優先順位を定めるための指標となります
サーチコンソールで表示できるバブルチャートの要点をまとめます。
- GSC内で直接作る機能ではなく、Looker Studioなどの外部ツールで作成する
- Google公式例は、横軸CTR・縦軸平均掲載順位・サイズはクリック数・色はデバイス
- 縦軸は反転して「上ほど順位がよい」表示にすると読み取りやすい
- サイズを表示回数にする設定もあるが、クリック数とは意味が異なる
- CTRが高く順位が低いクエリは、コンテンツ改善の候補になりうる
- 上位表示でCTRが低いクエリは、検索結果での見え方を確認する
- チャートで候補を見つけたら、ページ単位まで掘り下げて施策を決める
バブルチャートは答えそのものではなく、どこから調べるべきかを示す地図のような役割を果たします。
図を使って候補を絞り込み、検索結果やページ内容を直接確認する手順を習慣化すれば、限られた時間でも効率的にサイト改善が進められるでしょう。実際に取り入れると、全体像がつかみやすくなると感じます。
まずは公式例の設定で一度作成し、自サイトのクエリがどのように分布しているかをご確認ください。
分析結果をもとにページを追加・改訂した後は、検索エンジンに早く検出してもらうことが重要です。
インデックスドライブは、公開中のページURLを送信するだけでインデックス登録を促進できます。
改善したページは、URLを送信すれば完了します。
バブルチャートで見つけた改善候補をもとに、ページを追加・改訂したあとは検索エンジンに見つけてもらう必要があります。インデックスドライブなら、Search Consoleの設定なしで、URLを1行に1つ貼ってまとめて送信し、インデックス登録を後押しできます。
※初めてご利用になる方は、カード情報の登録が必要ですが、7日間は無料でお試しいただけます(8日目以降は月額料金がかかります)。インデックス登録は検索エンジンの判断に委ねられ、登録の可否や所要時間を保証するものではありません。